自律神経系には交感神経と副交感神経がありますが、交感神経や副交感神経のどちらかに偏った状態であると体のバランスが崩れてしまい、体調を崩すと言われています。
交感神経優位・副交感神経優位の状態は体にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
交感神経優位=ストレスから引き起こされる
交感神経とは自律神経の一つで、闘争と逃走の神経とも呼ばれています。激しい活動をしている時に活性化する神経ですので、激しい活動をしていて血が頭に登っている状態の時に働く神経です。
交感神経優位とは体が緊張状態であったりストレスに晒されていたりすると引き起こされてしまいます。
交感神経優位は組織破壊を引き起こす?
交感神経優位になるとアドレナリンが増加します。アドレナリンが増加することにより、顆粒球が増えます。その顆粒球が活性酸素を大量放出します。活性酸素は適度に足りている分にはウイルスなどを死滅させるため大変素晴らしい働きもをします。
しかし、交感神経優位になり活性酸素が多すぎると、他の細胞も傷つけてしまうので、組織破壊に繋がってしまうのです。
交感神経優位=副交感神経の作用低下
自律神経はシーソーの様なもので、どちらかが優勢になるとどちらかが劣勢になるものです。
つまり、交感神経が緊張してしまうと、副交感神経の作用は低下してしまうのです。
副交感神経の作用低下はリンパ球の作用が低下することに繋がったり、排泄分泌機能が低下したりします。
交感神経優位は糖尿病・ガンにつながる?
交感神経優位によって分泌されるホルモンであるアドレナリンは血糖をあげるといわれています。
そのメカニズムは、アドレナリンが出ると血管が縮小されます。そうなると体内の血流が低下し、低酸素・低音・高血糖状態になるのです。その結果、糖尿病やガンを引き起こしてしまいます。
交感神経優位になると肌荒れや歯周病、痔にもなる?
大病ではないかもしれませんが、交感神経優位になることにより、肌荒れなどの原因になるとも言われています。
これは、交感神経優位になることで、顆粒球が増加します。顆粒球は新陳代謝が盛んなところに集まりますので、上皮細胞や腺細胞に集まると言われています。そして、顆粒球は活性酸素により組織を破壊するので、自然とそこにいる常在菌も殺してしまうのです。常在菌は人間になくてはならない菌であり、色々な役割を果たしています。
常在菌がなくなることで、ニキビ、水虫、帯状疱疹ウイルスによる帯状疱疹、ヘルペス、カンジタ、膣炎、歯周病、痔になるとも言われているのです。
副交感神経=ゆる〜い状態から引き起こされる?
副交感神経も神経系の一種であり、生活がゆる〜い状態であると優位になります。ゆる〜い状態とはストレスや緊張感が全くない状態であり、そういう生活をしていると副交感神経が優位になるそうです。
また、副交感神経からは、その末端部からアセチルコリンを放出することから、コリン作動性神経とも呼ばれています。アセチルコリンは神経伝達物質であり、学習力や、集中力などに関与するとも言われています。
副交感神経優位は病弱?
副交感神経が優位に働いている人はリンパ球が活性化しているため、すぐに反応が現れてしまいます。その結果、病弱のような見え方がされてしまいます
例えば、副交感神経が優位になることで、排泄や分泌物の動きが活性化してしまいます。その結果、下痢になるので、お腹が弱い子という風に見受けられてしまうのです。
副交感神経優位で「かゆみ」が出るメカニズムは?
副交感神経優位の人は「かゆみ」が出やすくなります。
副交感神経が優位になることでアセチルコリンが分泌されます。アセチルコリンが分泌されるとリンパ球が増加するので、アレルギー反応が出やすくなります。さらに、副交感神経優位ということは交感神経は劣勢になるので、顆粒球が減少し、プロスタグランジンが増加します。そうなると、痛みや発熱、知覚過敏にもなり、かゆくなってしまうのです。
副交感神経も結局は交感神経優位になる。
副交感神経が優位になると、血管が拡張されて血流が増加し、うっ血になります。そうなると低酸素・低体温状態になります。
結局は副交感神経優位のままでいることはできないので、副交感神経優位から交感神経優位に変わって行くなどして、体のバランスが整えられて行くのです。
副交感神経は自己免疫疾患を引き起こす?
副交感神経優位の状態とは、ストレスがない状態ですので、ストレスに対する耐性がない状態になります。
副交感神経優位の時にストレス過剰になると、それまで過剰に働いていた免疫システムに一気にストップがかかります。
免疫システムに一気にストップがかかるということは、免疫システムが突如抑制されてしまい、免疫システムの主力が入れ替わりますが、これがうまくいかないと自己免疫疾患になってしまうのです。
交感神経・副交感神経のバランスが大切
交感神経優位にしすぎてもダメですし、副交感神経優位にしすぎても体がバランスを崩してしまいます。大切なことは自分がいまどういう状態なのかを理解して、自分の行動により、このバランスを調整できるようにすることが大切です。