「シャンプーってどう選んでよいのかわからない」
「シャンプーの選び方って実際どうなの?」
シャンプーの種類は多種多様にありますが何が良くて何がダメなのかってわかりませんよね…。
シャンプーの選び方は主に3つに分かれていて、それぞれの選び方について覚えておくと良いでしょう。
- 界面活性剤の種類で選ぶ
- 成分で選ぶ
- 香り・泡立ちで選ぶ
それでは、シャンプーの選び方について解説しましょう
界面活性剤の種類・液体か個体かでシャンプーを選ぶ
シャンプーに使われる界面活性剤の種類・液体か個体かで分類されています。
- 高級アルコール系の界面活性剤のシャンプー
- アミノ酸系の界面活性剤のシャンプー
- 石けん系の固形のシャンプー
それぞれ説明していきましょう。
高級アルコール系シャンプー
高級アルコール系シャンプーは、分子構造における炭素(C)の数が多いアルコール(高級アルコール)で作られた界面活性剤で作られたシャンプーです。
値段が高くて質が良いから高級といわれているわけではありません
下記の界面活性剤がベースになっているシャンプーのことを高級アルコール系シャンプーと呼びます。
- ラウリル硫酸
- ラウレス硫酸
- スルホン酸
- パレスー3硫酸
高級アルコール系シャンプーのメリット・デメリットは?
▼高級アルコール系シャンプーのメリット
- 値段が安い
- 洗浄力が高い
▼高級アルコール系シャンプーのデメリット
- 頭皮の脂を落としすぎる可能性
- 炎症や赤みの原因とも言われる
ラウリル硫酸・ラウレス硫酸が危ないっていうのは本当か?
高級アルコール系シャンプーについてよくある誤解が、ラウリルやラウレスは危ないんじゃないの?ということです。
実際にラウリル硫酸やラウレス硫酸が危ないとするサイトはかなり多いです。
しかし、実際は使い方の問題です。
ラウリル硫酸やラウレス硫酸などの高級アルコール系でも使い方によっては、メリットである洗浄力を残して、デメリットである頭皮の脂を落としすぎず、刺激が強い点を消すことが可能なのですです。
ラウリル硫酸・ラウレス硫酸はヤシ油由来もある
ラウリル硫酸やラウレス硫酸の基材が石油だとしている方も多いですが、現在はヤシ油由来のラウリル硫酸・ラウレス硫酸もあります。
ラウリル硫酸やラウレス硫酸が危険だと言われている原因の1つが石油から出来ているから刺激が強いという点です。
ただ現在は、高級アルコール系の中でもラウリル硫酸・ラウレス硫酸は石油よりも植物系のヤシ油から作られた方が安いので、原材料がヤシ油のものも多いです。
植物系のラウリル硫酸・ラウレス硫酸について一応は低刺激だとされています。(成分的には同じ名称だから危険だとしているサイトもあります。
ラウリル硫酸やラウレス硫酸は違う界面活性剤と入れるとマイルドになる?
ラウリル硫酸やラウレス硫酸は、アミノ酸系の界面活性剤や両性の界面活性剤と混ぜることによって、分子量が大きくなり、刺激が中和され、泡立ちがマイルドになるなど様々な効果があります。
界面活性剤の種類でシャンプーを選ぶときには他の界面活性剤が入っているかチェックしましょう。
ラウリル硫酸ナトリウムよりもラウレス硫酸アンモニウムのほうが安全
ラウリル硫酸ナトリウムとラウレス硫酸アンモニウムの違いはなんでしょうか?
それは、分子量(粒子の大きさ)の違いです。
ラウリル硫酸とラウレス硫酸だとラウレス硫酸の方が分子量は大きいです。
さらにナトリウムとアンモニウムだと、アンモニウムの方が分子量は大きいです。
ナトリウムに塩を加えてくっつけているので、中和しているので、粒子が大きくなっているのです。
アミノ酸系シャンプー
アミノ酸系の界面活性剤が使われているのがアミノ酸系シャンプーです。
アミノ酸系の界面活性剤とは下記の通りです。
- ラウリル硫酸
- ラウレス硫酸
- スルホン酸
- パレスー3硫酸
アミノ酸系界面活性剤のメリット・デメリットは?
▼アミノ酸系シャンプーのメリット
- 刺激がマイルドで髪や肌に優しい
- 洗いすぎることもない
▼アミノ酸系シャンプーのデメリット
- 汚れが落ちにくい
- アミノ酸系の界面活性剤は高級なイメージがある
アミノ酸系界面活性剤も石油で作られる?
アミノ酸系界面活性剤も石油で作られる場合があります。
アミノ酸系界面活性剤だから大丈夫だと思ったとしても、ラウリル硫酸ナトリウムとは逆に石油で出来ている可能性があるのです。
界面活性剤については石油由来か天然由来か判断するのが難しくなっているのです。
石けん系シャンプー
石けん系シャンプーは界面活性剤の種類により分類されているわけではありません。石けん系シャンプーは固形のものでできているので液体と固体で分けているだけです。
「石けん系シャンプーだから大丈夫」だと思うのもNGです。
石けんに使われる界面活性剤自体は普通の液体シャンプーと一緒です。
石けんを使うと石けんカスが出てしまうのでシャンプーには向きません。
ですので、固形石けんでシャンプーをするのはあまり使われません。
石けん系シャンプーのメリット・デメリットは?
▼石けん系シャンプーのメリット
- 無駄なものが入っている可能性が低い
- 長年使われている石けんなので安心
▼石けん系シャンプーのデメリット
- アルカリ性になりがち
- 石けんカスが出る
石けんカスが出る理由
石けんを使うと石けんカスが出てしまいます。
石けんにはカリ石けん素地や石けん素地が含まれます。
この石けんカリ石けん素地や石けん素地が、水道水のミネラルと反応して石けんカスが出てしまうのです。
シャンプーの成分について選ぶ
界面活性剤でシャンプーを選んだ次は成分で選ぶことになります。
シャンプーを成分で選ぶときは下記の成分が話題になることが多いです。
- シリコンが入っているか否か
- 弱酸性かアルカリ性か
- 防腐剤が入っているか否か
それぞれの成分について解説していきましょう
シリコンが入っているか否かで選ぶ
シャンプーについてシリコンが入っているか否かで選ぶ人もいますが、シリコンが入っていないシャンプーを選んでも、シリコンが入っているコンディショナーを選んでしまったら、結局髪にシリコンが髪につくので意味がありません。
シャンプーにシリコンが入っていたらNGの理由は、シリコンが髪の表面に強い膜を作るからです。髪がコーティングされることにより下記のことが起こります。
- 汚れが落ちにくい
- 頭皮の呼吸ができなくなる
シリコンには色々なタイプがあります。
例えば、ジメチコンのような分子量の小さいものがあります。
ジメチコンは分子量が小さいから、密着しやすく強い皮膜をつくります。
シクロペンタシロキサンのような環状シリコンと呼ばれるものがあります。環状型のシリコンは輪っかのようなシリコンです。
このようにシリコンは低い皮膜性の性質があるものや適切な分量の配合によって良質なシャンプーにするメーカーもあります。
単にシリコンがあるからといって、否定するのもおかしな話なのです。
シリコンが入ることでメリットもあります。
シリコンは洗い上がりが良く、指通りがサラッとします。
美容院のシャンプーはものすごく高級なシャンプーで、洗い上がりもめちゃくちゃ良いのは、シリコン入っているからです。
ちなみにシリコンはケイ素という鉱物なので、石油系なものとは違い高級品です。
1kg当たりの値段で比較すると…
- 植物油:200~300円程度
- ラウリル硫酸塩やラウレス硫酸塩:300~400円以下
- シリコン:4000円前後
安物のシャンプーの場合はシリコンを入れると原価率が上がってしまいます。
そのためシリコン不要論を、語っている人もいるのです。
弱酸性かアルカリ性で選ぶ
肌にとって弱酸性が良いと言われています。「美肌に菌は超大切!常在菌の働きと効果的な5つのケアとは?」でも解説している通り、弱酸性にすれば、肌の常在菌を生かすことができます。そうなると、肌の保湿が良くなるのです。
頭皮に対しても弱酸性が刺激が少なくて頭皮が荒れることも少なくなります。
- 弱酸性:肌にとって低刺激
- アルカリ性:汚れを落とす作用が強い
防腐剤が入っているか否かで選ぶ
「防腐剤なんか嫌だ」という人もいると思いますが、防腐剤はそこまで悪くないです。
まず防腐剤があると危険だというイメージがあるのは、食品の防腐剤が問題になったからです。
旧指定成分に指定されているから安心
パラベンなどの防腐剤は旧指定成分にまで表示されたことを用いて危険だと言っていることもあります。
旧指定成分に表示されているのにパラベンが使われ続けているのは、それだけ優秀な成分であるからであり、研究されているので安全だと言えるでしょう。
防腐剤に対しても悪いイメージがある方もいますが、防腐剤が少ないシャンプーは防腐剤が少ない分保管が大変です。オーガニックシャンプーの中では冷蔵庫で保管するものもあります。
また防腐剤らしい防腐剤で有名なのはパラベンですが、パラベンを使わない代わりに別の防腐剤で腐らないように工夫しないといけません。
そのためパラベンの代わりにフェノキシエタノールを使います。オーガニック系の製品では科学的な物も使えないのでエタノールというアルコールを大量に使うことで、防腐効果を出しているものもあります。
防腐剤も色々なものを配合すると、一つ一つの成分の刺激性を緩和する配合やそれぞれの防腐剤の良い点を組み合わせることで防腐剤自体の量を圧倒的に少なくすることも可能なのです。
防腐剤に発ガン性があるから使いたくない
「防腐剤には発ガン性があるから…」という人もいます。
キャベツやセロリにも発ガン性が含まれているので、発ガン性が嫌なら食品を食べることができません。
防腐剤の化粧品配合量の上限も1%と指定されています。防腐剤の量を減らす努力も出来ますし、厳しい審査を受けています。
泡立ち・香りで選ぶ
「泡立ちや香りで選んでいます!」という人もいますが、泡立ちや香りだけで選ぶことは、髪や肌を良くしたい人にはあまりおすすめできません。
泡立ちや香りは髪や肌を良くするために使われるものではないからです。
泡立ちや香りは使った時の感触を良くすることが目的です。
そのために発泡剤や香料をいれることになりますが、本来発泡剤や香料は髪や肌を良くするために必要なものではないので、シャンプーにとっては余分な成分が入っていることになります。
余分な成分が入っている状態とは、成分同士がお互いに邪魔をして、お互いの成分の効果を悪くしてしまう可能性もあります。
無駄な成分は入れないほうが無難なのです。
それなのに、製品の洗い上がりや、洗い心地を考えて、に髪や肌に無益な成分を入れてしまうこともあるです。
シャンプーの選び方は何と何を組み合わせるか
ここまで、考えたら賢い人は、「何が入っているかよりも、何が入っていないかも大事。しかし、それよりもなにが入っていないかよりは、組み合わせや考えて作られているのかが大切。」
シャンプーも化学・皮膚生理学・毒性学などの多くの学問が合わさり複雑に絡み合っています。
素人目にこれがダメ・あれがダメというのは実は微妙なのです。
個人的には本気で良いシャンプーを目指すのであれば下記の基準で選ぶことがおすすめです。
- 信頼のおける科学者や製品開発者が作っているのか
- 信頼のある会社か
- 製品がどのように作られているのか
- 過去の歴史からみて訴訟等の問題がおこっていないか。
変に煽ってくるCMや、キャッチーな広告。かっこいい・かわいい人が使っているからという理由や、それっぽいことがいろいろ書いてあるHPを見てこれはよさそう!と判断することはやめましょう。
他人の根拠のない使用感を鵜呑みにして、「これっていいのか」と選ぶことは、そろそろ止めた方が良いかもしれないかなと思います。根拠が大事な時代ですね。
今は、インターネットで色々な情報を検索できますからね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。