人間にとって炭水化物は美味しいものですが、炭水化物とはそれだけではないです。
最近炭水化物抜きダイエットが流行ってますが、それは本当に良いものなのでしょうか?
今回は炭水化物についてまとめて見ました。
炭水化物って何?
炭水化物とは、糖質とも言われています。学術的な複雑な説明は省きますが、要するに、お米やパンなどのいわゆる主食に含まれるエネルギーに一番変わるものが炭水化物です。
車で例えるならば、炭水化物とはガソリンであり、体のエネルギー(熱量)となります。
体を動かしたり、消化したりするときに使うエネルギーの元になるのが炭水化物ですし、また、頭を使うときに必要なエネルギーは炭水化物から使われるとも言われています。
炭水化物=糖質=グルコースと覚えておいてください
人体には何故糖質が必要なの?
生体エネルギーという言葉を聞いたことありますか?私たちが生きていく上で必要になるエネルギーのことを生体エネルギーと言います。
例えば、日々の体の中での反応(代謝)や運動なんかも生体エネルギーがなければ行うことが出来ません。
私たちが生活する上でエネルギーとなるのは、ATP(アデノシン3リン酸)と呼ばれるものです。これは「ミトコンドリアの数と働きの簡単なまとめ【ミトコンドリアとは?】」でも解説しましたが、ATPとは生体エネルギーです。
ATPが無くなると、私たちは活動できなくなるとも言われています。
ATPはミトコンドリアで合成されますが、その際に必要となるのが、糖です。
糖のもとは炭水化物や脂質やタンパク質と言われています。
脂肪やタンパク質ではなく炭水化物でなければいけない理由
ミトコンドリアがエネルギー合成をするのに必要なのが、脂質やタンパク質でも良いなら(ちょっと専門的に言うと糖新生するのであれば)糖は太るだけだから不要なんじゃないのか?
そう思われる人も多いかと思いますが、脂質やタンパク質よりも、炭水化物のほうがエネルギー効率がはるかに高いのです。
炭水化物は少量でも必要なのです。
タンパク質は筋肉を減らしてしまう
脂肪はエネルギーに変わる量が一定だから、運動負荷が激しくなったら危険であると言いますが、ではタンパク質もエネルギーに変わると言いますが、実際はどうなのでしょうか?
タンパク質がエネルギーに変換するメカニズムはと言うと、3つのステップに分かれます。
- タンパク質はまず筋肉に変わります
- 脳がエネルギー不足になり血中に糖がないと筋肉から糖を取り出そうとします
- 筋肉が分解されて糖になりエネルギーに変わります
このメカニズムがわかると、ダイエット等で糖質制限をしている人は、筋肉が分解されてエネルギーに変わっていますから、筋肉が徐々に減少していくと言うことがわかります。その結果、ダイエットに必要な基礎代謝を下げてしまう結果に繋がりますので、結果として太りやすい体になってしまうのです。
炭水化物をきちんと摂っていれば、ダイレクトにエネルギーに変換されますから、筋肉を分解することもありませんから、炭水化物でエネルギーを補給した方が良いと言えます。
脂質の場合はケトン体に変わる
体内には糖質をエネルギーにするエンジンとケトン体をエネルギーにするエンジンがあると言われています。これは最近の論文で明らかになったことです。
糖質ばかり食べている場合は急に糖質をやめることはオススメできません。体内でケトン体をエネルギーにするエンジンを動かすには、ある程度の体の慣れが必要です。
ケトン体だけで体を動かせる人は、炭水化物を抜いても問題ないかも知れません。
ちなみに、これを執筆時点での私はほとんど炭水化物を取っていません。それでも頭がぼーっとすることがなく、ブログを書くことができているのは、ケトン体エンジンがエネルギーになっているからでしょう。
炭水化物はどのくらいが理想的なの?
炭水化物を食べ過ぎてしまうと、使われなくなった血中の糖が脂肪に変換するので太ってしまいます。炭水化物を抜いてしまうと筋肉が減少してしまいますから意味もないですし、炭水化物は適切な量を取ることが望ましいです。
では、いったいどのくらいが適切な量なのでしょうか?
男性では、243g 女性は、203gと言われています。
ご飯茶碗1杯分で、60gですから、毎食ご飯1杯分を食べた場合ですと、間食の際には炭水化物を控えるようにした方が良さそうです。
炭水化物抜きダイエット中の方でも、最低でも1日にご飯茶碗2杯弱は摂っておいた方が良いのかもしれません。過度に制限し過ぎて、筋肉を分解するようなことがないように…。
炭水化物を代謝するのに必要な栄養素はビタミンB1
炭水化物を代謝してエネルギーに変換するために必要不可欠なのはビタミンB1です。
「ビタミンB1は?ビタミンB1の役割・不足時・食事での補給法をまとめてみた!」でも解説していますが、ビタミンB1には下記のメリットがあります。
- 糖質からのエネルギーを生成する。
- 皮膚や粘膜の健康維持をサポート
- 脳神経の正常な働きをサポート
- 消化液の分泌をサポート
- 乳酸の代謝をサポート
ビタミンB1は水溶性のビタミンなので、体内にためておくことができません。そのため、ビタミンB1は毎日摂取する必要があります。
ビタミンB1を補給するのにオススメの食べ物は、鶏卵・豚肉・レバー・豆類・玄米・精白米・そば粉・ごまなどです。
炭水化物が主食になったのは保存が簡単だから
「炭水化物悪者説」や「糖質制限ダイエット信者」と言われる人たちがいる一方で、「昔から炭水化物が主食だったから炭水化物を抜くのは良くない!」と言う炭水化物信者も多くいますよね。
そもそも炭水化物が主食になったのは人類史から見るとそこまで古くありません。
人類が、今と同じ体になったのは大体20万年前と言われています。一方で炭水化物が主食となる農耕が始まったのは2万3000年前です。そのため、人間の体はずっと炭水化物ではなく、脂質とタンパク質で暮らしてきたと言えます。
炭水化物が主食になった要因は下記のとおりです。
- 保存が簡単
- 鮮度の心配不要
- 作付面積が多い
肉や魚などの脂質とタンパク質は保存が難しく、常温で保存しておくとすぐに腐りますので、鮮度の心配もありました。
また、木の実などよりも小麦や米のほうが、作付面積も大きく、お腹いっぱいの量を食べることができるので、炭水化物の方が便利だという流れになり、炭水化物を主食にする流れになったのです。
参考人類史のはじまり
参考農耕の歴史
炭水化物の食べ過ぎに注意しましょう
主食が炭水化物になるまでの20万年間は、おなか一杯にゴハンを食べることとは程遠い世界でした。
「人間のホルモンの種類とは?主要なホルモン40種類の名称と役割まとめ!」でも解説していますが、人間のホルモンは血糖値を下げるホルモンはインスリン1種類しかありません。しかし、血糖値を上げるホルモンは、グルカゴン・コルチゾール・アドレナリンと3種類以上はあると言われています。
そのため、人間はお腹いっぱい食べると、大量のインスリンを出さなければいけません。インスリンをだす臓器は膵臓です。「膵臓とは?膵臓の性質・機能・効果と日頃からのケア方法をまとめてみた! 」でも解説していますが、お腹いっぱい食べる人は膵臓が疲弊してしまうので、膵炎などの病気にある可能性もあります。
炭水化物を取るだけではなく、できるだけ脂質やタンパク質も摂取していきたいですね。
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