タンパク質不足は危険!?タンパク質過剰摂取も危険!?タンパク質についての真実を調べてみた!

栄養
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タンパク質は大切!と聞く機会が多くなり、特に炭水化物抜きダイエットをしている人は、代わりにタンパク質を取るという人も多いはずです。

しかしながら、タンパク質を摂取してから再びタンパク質になるまでの生成過程やタンパク質摂取の際に1日に必要な量やタンパク質を摂取するときの注意点を知っている方はほとんどいません…。

タンパク質とは?

タンパク質とは三大栄養素のうちの一つとされているもので、炭水化物・脂質に並ぶ人間のエネルギーになる栄養素の一つです。

タンパク質は体の器官になる?

ただ、タンパク質はエネルギーという側面よりも、体の器官の材料になるという側面の方が大切です。例えば、人体は10万種類のタンパク質で構成されています。筋肉・内臓・体のホルモン・血中のヘモグロビン・骨に到るまで、体内の全ての器官の材料になるのがタンパク質です。

タンパク質で作られる器官は?

  • 臓器
  • 筋肉
  • 皮膚
  • 骨・歯
  • 毛髪
  • 遺伝子
  • 細胞
  • ホルモン
  • 酵素

体の中の20%はタンパク質で出来ています。

タンパク質をエネルギーにするのは非効率?

タンパク質は、1g=4kcalの熱量になります。この1g=4kcalというのは炭水化物と同様なのですが、炭水化物に比べたらエネルギー効率が非常に悪いです。

なぜなら、タンパク質はタンパク質の形ではエネルギーになることが出来ず一回筋肉に変えてその筋肉が糖新生されることによってエネルギーに変換されるからです。

炭水化物→エネルギー

タンパク質→筋肉→エネルギー

このため、一度筋肉に変換させるために使われるエネルギーや、筋肉からエネルギーに変換されるために使われるエネルギーなんかがあるため、炭水化物からダイレクトにエネルギーにするよりも非効率なのです。

コラーゲンを摂取してコラーゲンになるの?

よくコラーゲンドリンクを飲んでいる人や、飲み物のボトルに「コラーゲン5000mg」配合!という記載を見かけることがありますが、果たして、コラーゲンをそのまま飲んだらコラーゲンになるのでしょうか?

これは、タンパク質がどういう過程でタンパク質になるのかを知ることで、判断することが出来ます。

タンパク質が出来上がるまでの流れ

タンパク質がどのような道を通って立派なタンパク質になるかご存知ですか?実はこれは大工さんが家を建てるのに似ています。大工さんが家を建てる流れは下記の通りですよね?

設計図→設計図をコピーする→設計図通りに木材を集める→組み立てる

では、タンパク質が出来上がるまでの流れはどういうものなのかというと…

DNA→mRNAがコピー→tRNAがアミノ酸を用意する→リボソームで組み立てる

という流れになります。横文字が多くて非常にわかりにくいですが、それぞれの横文字の役割を説明すると下記の通りです

  • DNA=設計図
  • mRNA=設計図をコピーする業者
  • tRNA=木材を運んでくる業者
  • リボソーム=組み立てる現場

それを踏まえて説明を付け加えると下記の通りです。

DNA(設計図)→mRNAがコピー(設計図をコピーする)→tRNAがアミノ酸を運んでくる(設計図通りに木材を集める)→リボソーム(現場で組み立て

という流れで出来ています。

『え?アミノ酸はどこから来たの?』

ここまでの話を聞いて、『アミノ酸はどこから来たの』と思うかもしれませんが、アミノ酸は細胞の中のアミノ酸プールという所に貯蔵されています。

牛肉や豚肉、大豆でもなんでも良いですが、タンパク質を食べると体の中でタンパク質を消化します。胃酸や膵液など様々な消化液などでタンパク質は吸収されやすい形にバラバラに分解されます。タンパク質は分子量が大きいなので、分解されなければ吸収されることがありません。

この分解され尽くして、吸収できる形になっていく過程で、タンパク質は名称を変えます。

タンパク質→分解→ペプチド→更に分解→アミノ酸

このようにタンパク質が分解されるとタンパク質はアミノ酸という物質にまで分解されるのです。

結論コラーゲンはコラーゲンになる可能性が低い

ここで、ようやく結論です。コラーゲンも例外なく、口の中に入ることにより分解されて一回アミノ酸になるため、コラーゲンがコラーゲンに100%なるとは言い切れません

アミノ酸の状態でプールされ、DNAが必要だと判断した時に、指令を出してコラーゲンが作られます。この指令が出ない限りコラーゲンになることはないのです。

不足は禁物?1日に必要なタンパク質は?

1日に必要なタンパク質はkgをgに直した数字と言われています。

体重が60kgの人は60g

体重が100kgの人は100g

必要になります。

また、筋トレをする人はタンパク質を多めに取ると良いと言われています。これは筋肉を作る時に大量のアミノ酸が必要になるので、筋トレをしている人は、1.5倍から2倍のタンパク質を摂ることがオススメです。

タンパク質が不足すると?

タンパク質が不足するとどうなるのでしょうか?

肌のトラブルが起こる…

皮膚組織の大部分はコラーゲンというタンパク質でできています。タンパク質が不足するとコラーゲンそのものが減少してしまうので、肌のハリやツヤが無くなります。また、肌のシワやたるみの原因になるのが真皮層にあるエラスチンの減少です。エラスチンももちろんタンパク質なので、タンパク質が不足するとエラスチンの量が減少します。

髪にコシがなくなって来た…

髪の毛の大部分もケラチンというタンパク質でできています。タンパク質不足になることにより、枝毛や切れ毛の原因につながり、丈夫な髪の毛からは程遠い状態になってしまいます。その結果、タンパク質不足は薄毛を招いてしまうのです。

筋肉量が低下して行く

先ほども申し上げました通り、低カロリー状態が続いていくと、エネルギーが必要な体は、体内にある筋肉を分解してエネルギーに変えてしまいます。

タンパク質が欠乏した状態でいると、筋肉が作られる量が減ってしまうので、筋肉が減少していくだけになります。その結果、筋肉量が低下してしまうのです。

集中できない・頭が働かない…

脳の中で働く神経伝達物質はアミノ酸というタンパク質の最小単位でできています。タンパク質が不足すると神経伝達物質も不足してしまうので、脳内のやる気を司るドーパミンも、リラックスするセロトニンも出来ません。

むしろ、タンパク質が不足して、神経伝達物質が少なくなると、鬱っぽい症状も現れてしまいます。タンパク質不足は心身ともに不調が出てしまいます。

タンパク質の過剰摂取との関係は?

タンパク質が不足すると危機的な状況に陥ると記載しましたが、だからと言って単純にタンパク質ばかり取りすぎてしまうと、過剰摂取の原因にもなると言われています。ただし、過剰摂取による弊害の根拠はいまだに不明であるというのが現状のようです。

厚生労働省は耐用上限量を設定していない?

下記の厚生労働省の2010年度版では日本人の食事摂取基準タンパク質の耐用上限量を設定しないということが記載されております。

たんぱく質の耐容上限量は、たんぱく質の過剰摂取により生じる健康障害を根拠に設定されなければならない。しかし現時点では、たんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分には見当たらない。そこで、耐容上限量は設定しないこととした。

引用:「日本人の食事摂取基準」(2010年版)

ですので、あくまで下記の過剰摂取の弊害というのはあくまで参考程度に見ていただければ幸いです

腎臓・肝臓への負担増

肝臓や腎臓がタンパク質を過剰に摂取するとタンパク質を窒素に変えなければいけないので負担が生じる

ただ、前述の資料の中では、中長期的には問題が無いとも言われています。

健康な人でも、たんぱく質を過剰に摂取すると、1 週間程度の短期では腎血行動態に変化をもた らして尿中アルブミンが増加するが 、中期的には腎機能へ与える影響はほとんどない。たんぱく質が糖尿病腎症のない糖尿病において、腎症発症リスクになるとする明らかな根拠はない。

肥満体質

タンパク質もカロリーがあり、カロリー計算されていないものを食し続けてしまうと、カロリーオーバーの結果肥満体質になってしまう。

尿路結石の恐れ

動物性タンパク質の取りすぎにより、体の中に石が出来てしまうこと。これが尿道に詰まると激しい激痛に悩まされます。

腸内環境が悪玉菌に傾く

動物性のタンパク質をとりすぎると、腸内環境が悪玉菌に傾き、腸内環境の乱れから多くの病気の原因となってしまいます。また、腸内環境が乱れることにより、栄養の吸収も悪くなるので気をつけた方が良いでしょう

タンパク質過剰摂取は体重×2倍以上!!

タンパク質の過剰摂取の範囲はどのくらいなのでしょうか?前述の資料から下記引用です。

たんぱく質エネルギー比率が 20%エネルギーを超えた場合の健康障害として、糖尿病発症リスクの増加、心血管疾患の増加、がんの発症率の増加、骨量の減少、 BMIの増加などが挙げられる。

つまり、タンパク質のエネルギー比率が20%以上になってしまってはいけないということです。

男性のタンパク質過剰摂取の限界男性に必要なエネルギーは凡そ2400kcalだと言われています。

2400kcal(1日に必要なエネルギー量)×20%=480kcal

480kcal÷4kcal(タンパク質は4kcal/g)=120g

 

つまり、男性は120g前後までならタンパク質を摂取してもギリギリ問題ないということです。

女性のタンパク質過剰摂取の限界女性に必要なエネルギーは凡そ2000kcalと言われています

2000kcal(1日に必要なエネルギー量)×20%=400kcal

400kcal÷4kcal(タンパク質は4kcal/g)=100g

 

つまり女性の場合は、100g前後までならタンパク質を摂取してもギリギリ問題がないということです。

表にまとめると下記のような感じです

男性女性
必要kcal/日2400kcal2000kcal
エネルギー比率20%480kcal400kcal
過剰摂取になるタンパク質量120g以上100g以上
平均体重65kg52kg

限界までタンパク質を取るのは流石に怖いのですが、ちょっとプロテインやタンパク質多めの食事にしたからと行って過剰摂取を怖がる心配はないのかもしれません。

タンパク質を補う食料は?

タンパク質を補う食料は沢山ありますが、アミノ酸スコアが高いものを摂取すると良いでしょう。アミノ酸スコアとは、アミノ酸のバランスを数値化したものであり、最高値は100です。アミノ酸スコアが100なものは、お肉・お魚・卵・豆乳・納豆なんかがあります。

個人的に食料のオススメはツナ缶と卵と豆乳です。お肉ばかり食べると肥満の原因になりますが、水煮のツナ缶を常時摂取するようにすればそれだけでタンパク質不足は防げると思います。

逆にサラダチキンはタンパク質は多いですが、同時に塩分も多いので、気をつけて食べると良いと思います。

また、プロテインもオススメです。プロテインの選び方はホエイ・ソイ・カゼインが入っていることや食物繊維が入っているものがオススメです。詳しくはプロテインの選び方をご覧ください

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▼参加された方のご感想を一部紹介します
  • 体系的ですごく役に立ちそうです。また受けたいです(35歳男性 SE)
  • 知らない働きの栄養素が沢山ありました(25歳女性 SE)
  • もっといろいろなことが知りたい、学びたいと思いました(26歳女性 医療系)
  • 自分が取る食べ物に対する見方が変わった為(28歳女性 金融系)
  • 2回目参加することにより改めて理解が深まった(27歳男性 飲食系)
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