ビタミンAが大切だと言われることがありますが、そもそもビタミンAがどのような役割をするのかご存知でしょうか?
今回はビタミンAの役割や不足時の影響・食事での補給法などをまとめてご紹介いたします。
ビタミンAとは?
ビタミンAとは脂溶性ビタミンに分類されるものです。ビタミンAという物質があるわけではなく、レチノール・レチナール・レチノイン酸・および3−デヒドロ体とその総称のことを言います。人の血液中にあるビタミンAはほとんどがレチノールとも言われています。
また、ビタミンAとよく一緒に説明されるβカロテンですが、βカロテンは必要に応じてビタミンAに変換されるため、プロビタミンとも呼ばれています。
ビタミンAは小腸で吸収され、一定量は肝臓に貯蔵されます。ほかは血液によってタンパク質と結合することで体内の組織を健康に保つことが出来るのです。
ビタミンAの役割は?
ビタミンAの役割は一言で言えば「粘膜」です。皮膚の粘膜だけでなく、鼻、のど、はい、気管支の粘膜を健康に保ちます。また、網膜で電気信号を変化させるロドプシンという成分の主成分にもなりますので、ビタミンAを摂ることにより視覚が正常化します。また、成長にも関わっています。
ビタミンAは線維芽細胞増殖因子の働きを活性化させて、肺のエラスチンの発言を増やすとも言われています。
ビタミンAは単体で摂るよりも他の抗酸化物質(ビタミンC・ビタミンEなど)と一緒に摂ることにより、安定度は更に増します。
ビタミンAが不足すると?
ビタミンAは強い粘膜を作ったり、視力改善に効果があったり、細胞の分化を促進するビタミンになります。そのため、ビタミンAが不足すると下記のようなことが起こる可能性があります。
- 視覚障害
- 粘膜の乾燥
- 夜盲症
- 成長障害
- 胎児の奇形
- 免疫力の低下
- 肌が乾燥しやすくなる
ビタミンAがオススメな人は?
風邪が引きやすい、喉が痛くなりやすい、性器が荒れやすいというような粘膜が弱い人はビタミンAを摂ることにより粘膜が強くなるのでおすすめです。
また、システムエンジニアなど、四六時中パソコンを見たりする目を酷使する仕事の人はビタミンAが網膜細胞で働くロドプシンの中心材料になりますので、ビタミンAを積極的に摂ったほうが目に良いでしょう。
味覚障害がある人は亜鉛と言われていますが、亜鉛はビタミンAとセットで働くので、ビタミンAを摂取したほうが良いでしょう。
また、肌荒れしやすい人も強い皮膚にするには細胞の分化を促すビタミンAを摂取することが大切ですね。
ビタミンAの一日の推奨量は?
20代以上の男性であれば850~900マイクログラムレチノール等量/日になります。20代以上の女性であれば、650~700マイクログラムレチノール等量/日となります。
ビタミンAには過剰摂取の問題もあります。脂溶性ビタミンですので取りすぎると体内に蓄積されてしまうのです。頭痛・めまい・はきけ・運動障害・中枢神経系への影響などがあります。子供がビタミンAを過剰摂取すると頭蓋内や骨格の異常が出るとも言われています。
耐容上限量は2700マイクログラム/日となっていますが、日本人の食事摂取基準 2015年版:第一出版によると、過剰摂取による健康障害が起きる最小量は成人男性で13500マイクログラムレチノール等量/日と言われており、乳児であれば、6000マイクログラムレチノール等量/日です。妊娠前後の方は750マイクログラム/日くらいが良いとされているデータもあります。妊娠中の過剰摂取は特に注意が必要です。
妊娠中のビタミンA過剰摂取はβカロテンであれば問題ない?
ちなみにビタミンAで過剰摂取の問題になるのはレチノールだけです。βカロテンというプロビタミンAという形でとったビタミンAは身体の中でビタミンAが不足した時に変換されます。ビタミンAが十分にあるときにはカロテノイドとしての抗酸化物質として働くのです。
だから、妊娠中の妊婦さんもビタミンAはβカロテンで摂るようにしたほうが良いですね。
日本人のビタミンAの平均摂取状況は
平成28年度国民健康・栄養調査によると20歳以上のビタミンAの平均摂取量は529マイクログラムレチノール等量でした。これは推奨量に対して足りていないという事になります。
ビタミンAを食べ物で補給するには?
ビタミンAが入っている食べ物の例は下記のとおりです。
- レバー
- 魚油
- 牛乳
- 卵
- ほうれんそう
- にんじん
- 皮付きさつまいも
- 赤ピーマン
基本的に毎日ちゃんと食べていれば不足することは無いと思います。ただ、推奨量を取っていたとしても、目を酷使したり肌が弱い人はそれ以上に取っておいたほうが良いでしょう。
レバーや人参を毎日食べられるか?
自炊している人であれば、野菜を食べたり、レバーを食べたりすることはそんなに難しいことではありません。しかしながら、自炊をしていない人にとってレバーを食べたり人参を食べたりということを毎日行うことは至難の業でしょう。
工夫としてはサプリメントを摂ることも良いかもしれませんが、サプリメントはちゃんとしたものを選ばないと効果が薄いだけでなく、身体にとって悪影響になる可能性もあります。サプリメントの選び方もちゃんと抑えておきたいところですね。
参考:完璧なサプリメントを飲むなら知っておきたい5つの選ぶ基準とは?