東大などの研究チームが、コーヒーや緑茶を飲む人の方が長生きするというデータを発表しました。これはとても面白いことです。
コーヒーを1日3~4杯飲む人は、ほとんど飲まない人に比べて心臓や脳血管、呼吸器の病気で死亡する危険性が4割ほど減るとの研究結果を、国立がん研究センターや東京大などの研究チームが7日、公表した。がんによる死亡との関連は見られず、全ての死亡の危険性で比較すると24%減だった。
(中略)
緑茶も1日5杯以上飲む男性は、ほとんど飲まない男性に比べて脳血管病で死ぬ危険性が24%減、呼吸器病で45%減だった。女性は心臓病で死ぬ危険性が37%減った。
今までの常識とは変わった?
今までの常識では確かに健康には良いとされていたのは事実ではありますが、
緑茶は飲みすぎるとカテキン神話というものがあり、大量摂取は良くないといわれていました。しかし、この結果が出てしまうというのは、ある意味皮肉ですね。
また、タンニンが鉄の吸収を妨げたり、たんぱく質を固まらせたりすると言われていました。しかし、血管には強くなるんですよね。
コーヒーもカフェインが悪いといわれていたり、利尿作用があり、カルシウムを阻害するといわれていますが、死亡率が下がるというのは、これいかに・・・。
どうして、このように健康に関する話は嘘が多いのでしょうか?
売りたい人の存在
スキンケアの正しい知識を一般人が触れられない3つの理由でもお話致しましたが、世の中には物を売る人と、買う人に分かれています。
売りたい側からしてみたら、何とか買う人を説得して売りたいと思っているので、売る人に対して有益な情報を買いたい側に見せることが多くなると思います。
世の中には、インターネットにより、アフィリエイトが発達しております。このアフィリエイトというのは、クリック型の広告と契約型の広告があります。
契約型の広告を行っている場合には、HPに訪問した人に対して説得をする内容を記述し、アフィリエイトで購入してもらいたいという思いがあるので、
自然とそういう風な情報を良く取るようになると思います。このソース(情報源)を正確なものを取らずに、適当なものをさも自信たっぷりに書いていることによって、健康に関する話には嘘が多いのかなと思います。
ソースが正しいものとは何か?
一例ですが、下記の点に注意すると良いでしょう
- 誰の情報か名前が明記されているか(逆に名前が書いてないものは、ほとんど有益ではない主観的な意見と言えます)
- その人の著書を読んで信頼に値する人間かどうかを確認する
- 論理的に間違っていないかを確認する
- 他の本も読んでみたりして、自分の知識の中で判断できるようにする。
上記のように、工夫することによって、嘘に惑わされず情報を取ることが出来るようになると思います。
日本企業にとって健康に関して正確なデータを取る意味があまり無い
研究機関や大学の場合では非常に有益だと思います。それこそ、将来の研究に役に立つことになるので。しかしながら、日本企業にとっては、健康に関して臨床データをとっても、自社の利益に繋がるようなデータは取りにくいのです。
例えば、今回のカテキンで言えば、カテキンは昔からある成分ですよね?そういう古くからある成分は特許がとれませんので、自社開発にはならないのです。その結果、自社で行った研究が他社に使われたりすることにより、自社が不利益になる可能性があります。コーヒーも同様です。
もっと広く言えば、ビタミンやミネラル、魚の油なんかも、結局は自社の利益になりにくいので、日本企業にとってコストをかけてまで、正確なデータを取る意味が無く。その研究をするくらいなら、マーケティングにお金をかけて、プロモーションにもお金をかけたほうが、商品が売れて、利益が上がるのです。
健康食品には臨床データは必要ない?
また、サプリメント等には、臨床データと呼ばれる。これを飲んでどうなるのか?という詳細なデータを取る必要はありません。臨床データを取るのは薬だけだといわれていて、サプリメント等の栄養素はあくまで食品にあたりますので、薬として申請する意外は臨床データを取る必要が無いのです。
アメリカでは、栄養素に対する臨床データをとることによって、効果効能を謳うことが出来るような法律があります。日本にはそれに近い法律が、機能性表示制度であり、2015年に改革をされたばかりです。アメリカよりも20年くらいサプリメントのや臨床データを取る。有用性を示すということには遅れているのです。
だからこそ、今現在、様々なメーカーがサプリメント業界に入ることができるのです。
インターネットに信頼のある情報が無い。
先ほどのアフィリエイトの件についても述べましたが、インターネットというのは誰でも書けてしまうので、ほぼ8割のHPや記事には主観が混じっていたり、ソースが不十分だったりすると思います。しかしながら、インターネットを当てにするなと言いたいのではありません。そういう、「嘘が書いてあることを前提」にして、自分で有益な情報をインターネットの中から探せるようにならないといけないのです。
この世の中、たくさんの情報が目のつくところどこにでもある時代になりました。ほんの30年前まではインターネットなども無く、何を知っているのかが重要な時代でしたが、今の時代は、「何を知っているのか」ではなく、「正しい情報を正しく使えているのか」が重要になってくると思います。
先ほど述べました、下記の点に気をつけながら、有益な情報を取って欲しいと思います。
- 誰の情報か名前が明記されているか(逆に名前が書いてないものは、ほとんど有益ではない主観的な意見と言えます)
- その人の著書を読んで信頼に値する人間かどうかを確認する
- 論理的に間違っていないかを確認する
- 他の本も読んでみたりして、自分の知識の中で判断できるようにする。
また、健康に関してであれば、英語の論文を読んでみたり、本を読んでみたりすると良いと思います。個人的には、講談社ブルーバックス新書なんかは、読みやすくてお勧めです。