「最近サプリメント飲んでいる人多くない?」
「サプリメントって飲んでも大丈夫なの?」
10年前と比べて今では多くのサプリメントが氾濫しています。
まさにサプリメント時代と言える程、選択の幅が広がってきました。
最近では、「え?こんな会社がサプリメントを出すの?」という位、様々な会社がサプリメントを提供しています。
日本のサプリメントは法律がゆるいので、効果効能を保証していなくても、サプリメントを売ることができます。
だからこそ、消費者がサプリメントに詳しく知らなければ飲んでも効果がないサプリメントが圧倒的に多いのです。
サプリメントの人気の理由を知ることができれば下記のことができるでしょう。
- サプリメントに無駄なお金を使わなくて住む
- 消費者がサプリメントに詳しくなった方が良い理由が分かる
- サプリメントの選び方がわかる
それでは、サプリメントが人気の理由・価格差・法律について解説したいと思います。
サプリメントが流行する理由
サプリメントが人気の理由は消費者が増えたことと、参入が簡単なことです。
いろいろな企業が参入しているので、CMも多くなり、流行を作り出すことができています。
- 健康志向の人の増加
- サプリメント購入層の増加
- サプリメントは食品なので誰でも売れる
- 臨床不要
- 利益率高い
高齢化社会により健康志向の人が増加中
よくTVやニュースで報道されていてお分かりかと思いますが、今、日本は最大の高齢化社会に移り変わっています。
その結果、消費が変化してきたと言えます『モノ消費→コト消費』のように、健康志向の人が増えてきたのです。
コンサルティング会社で有名なマッキンゼーのレポートにはこのように書かれていました。
日本はこれまで、生活習慣、食事、遺伝などの要因があいまって、世界で一番健康な社会だと見られてきた。そして日本の消費者は、ますます健康志向を強めている
また、アメリカンエクスプレスのレポートではこのような記述がある。
日本市場で言えば「衝動買いから熟慮買いへ」「仕事優先から健康優先へ」「ブランド重視から価格・品質重視へ」など、これまでとは全く異なる、かつ、新たな意識や価値観が多数、消費者に広がりつつあることが示されています
このことから、分かるとおり、日本はいま健康志向の人が増えてきているのです。
団塊の世代の高齢化=サプリを購入する人が増加
そして、高齢化社会が到来することで、それまでの市場の最大消費層が徐々に高齢化していきます。
平成23年版高齢社会白書によると、65歳以上の高齢者人口は過去最高の2,958万人(前年2,901万人)で、男性は1,264万人、女性は1,693万人です。総人口に占める65歳以上人口の割合は23.1%(前年22.7%)と高齢化率が高まっており、5人に1人が高齢者という状況になっています。
高齢者人口は、いわゆる「団塊の世代」(昭和22年~24年に生まれた人)が65歳となる平成27年には3,000万人を超え、2040年頃までは増え続けると予想されています。
『サプリメント≠薬』『サプリメント=食品』
ここで、1つ疑問が生じます。健康産業ならば、何故サプリメントなのでしょう?
現在の日本の薬機法(旧薬事法)では、サプリメントはお薬ではなく食品とされています。食品ですので、コンビニに売っているポテトチップスなどど同じように販売することが出来ます。
ただ、初期の頃は、サプリメントは食品として認められませんでした。何故なら、旧薬事法により丸い物で水を使って飲見込むものは薬と認定されていたからです。こんなふざけたことがあるのかと思いますが、実際に国の最初の法律を見たりするとそういうことが多いのが実情です。
サプリメントを売れば儲かるとわかっているサプリメントメーカーはなんとかしたいと思い、販売メーカーはお役人に働きかけにました。その結果、薬事法が徐々に緩く改正されていき、サプリメントは食品という風に認定されたのです。
食品の臨床は不要!ではサプリも臨床は不要なの?
薬機法(旧薬事法)ではサプリメントは薬ではなく食品と位置付けられています。つまり、薬ではなく食品ですので、薬見たいな複雑なデータは不要ということになります。
薬であれば、効果があるのかを確認するために治験を行ったりして臨床データをとったり、副作用があるか無いかも確認します。しかし、サプリメントは薬ではなく食品ですので、治験を行う必要もなく、臨床データや科学的な根拠が無くても即販売することが可能なのです。
ある記事にも下記のような記載がありました。
ドラッグストアーやコンビニエンス,新聞の広告などサプリメントや健康食品が氾濫しています。最近では、自分の食生活の中にサプリメントを取り入れられている人も多くいます。
サプリメントの現状は、本当に効果がある本物のサプリメントと、まったく効果がない、または害がある偽物が入り交じっている状態です。
日本ではサプリメントの製造・販売には法的な規制がほとんどないため、適当に作って売っているものと、薬と同レベルの臨床試験を行い効果や安全性を科学的に立証しているものが、同じように売られています。
さらに、サプリメントは栄養成分の表示は会社側の自己責任となっているので、ほとんど野放し状態です。
1000円のサプリメントの原価は?驚愕の利益率…
そして、サプリメントの原材料は低いので、実は、サプリメントの利益率は約8割。中には、原価20円の商品を1000円も出して購入しているものもあると言います。
要するにサプリメントは、販売が手軽でデータも不要。そして儲かるので、多くの会社が販売を考えるのです。
サプリメントが流行するのは安いものが出回るから
「なんで同じものが入っているのに、こちらの方が高いんだろう?」
「やっぱり高いものの方が良いのかな?」
こういった、疑問をお持ちになったことありませんか?
サプリメントの価格差が生じる原因は、いろいろな要素があります。
例えば、流通の流れに無駄があったり、成分自体も天然のサプリメントなのか、合成のサプリメントなのかという点があったりします。
今回はサプリメントが市場に出るまでの過程から、何故価格差が生じるのかを考えて見ましょう。
サプリメントが市場に出るまでの過程は?
サプリメントが市場に出るまでの工程を簡単に説明しますと
メーカー(企画・研究)→製造(抽出、加工)→流通業(卸)→販売会社
となります。この過程においてそれぞれかかっている費用があります。
メーカーに関わる経費
- 人事部・総務部の給与
- 営業部の給与
- 役員の給与
- 事務用品
- 本書所在地の家賃代
- 研究開発費
- 広告宣伝費
製造に関わる経費
- 工場で働く人の給与
- 工場の設備費
- 工場に運び込まれる原材料
流通に関わる経費
- 販売代理店会社の人事部・総務部の給与
- 販売代理店会社の営業部の給与
- 販売代理店会社の役員の給与
- 販売代理店会社の社屋の家賃代
- 卸売会社(商社)の人事部・総務部の給与
- 卸売会社(商社)の営業部の給与
- 卸売会社(商社)の役員の給与
- 卸売会社(商社)の社屋の家賃代
小売店に関わる経費
- 小売店の人件費
- 小売店のテナント代
こうやって内訳を見ていただければ分かるとおり、品質に関わるもの以外の人件費や家賃代・テナント代などが入っていることがわかります。
メーカーが企業努力をして、人員を削減できていれば、それだけ価格が安いものになります。
一方で企業努力をせずに、会社で働く人、研究所で働く人が増えていれば、その人たちの人件費も膨れあがりますので、サプリメントの価格は上がってしまうでしょう。
また、無駄に研究所や社屋が土地代や賃貸料金の高いところにあれば、それだけ消費者が負担するサプリメントの値段は上がってしまうと言えます。そういうところを考えてみると面白いことに気づきます。
大手のサプリメントって大企業なのにも関わらず値段が安いのは何でだろう…?
大手は工場の数も多く、支社となる数も多かったりしますが、なぜ某有名なメーカーのサプリメントは安いのでしょうか?
規模の経済が働くから?大量輸入して大量消費をしているので?安くなるかもしれませんが、それにしても本当に安いですよね。
中には100円ショップで売られているサプリメントもありますよね?これは一体どういうことなのでしょうか?
調べてみるとサプリメントをとりまく業界の構造がオカシイということに気づいていくのです‥。
合成ですか?天然ですか?成分で価格差が出る?
成分でも、ビタミンやミネラルの原材料はとても安く出来ます。それは成分を天然のものではなく合成のものから作ることが出来るからです。
ビタミンやミネラルは石油から作ることは可能?
例えば、ビタミンやミネラルは石油から合成することも可能です。少し難しい話になりますが、ビタミンやミネラルは石油を科学合成することにより、同じ化学式の分子構造にすることにより、同じ効果のあるビタミンやミネラルにすることが出来ます。
ちなみに、最近では石油から作られるサプリメントは少ないと言われていますが、その真実は定かではありません。反対に、人工栽培が難しい 植物や養殖できない動物もののコエンザイムQ10やアルファリポ酸などは、値段が高くなります。
また、天然で栽培していたり、無農薬栽培しているものも、それに応じて値段が上がるのでしょう。
薬も石油から作られている?
もちろん、薬も化学合成することにより、石油から作ることが可能です。試しに、薬局に行って薬価の欄を見て見てください。値段の安さに驚きを隠せないものが結構あると思います。
ちなみに、アスピリンはサリチル酸ですが、そのもとになるものはベンゼンです。ベンゼンは大部分の化学合成品の素になっている成分で、石油から抽出することによって、出来上がる成分です。
天然と合成の違いは?
天然と合成に違いはないと言う人たちは『合成から出来ている成分も化学的な分子構造では違いがないから、特段違いがない』と言いますが、吸収の仕方などには明らかな違いがあります。
分子構造的には同じようなビタミンやミネラルでも、消化の段階では合成のものと天然のものでも作用が異なります。
合成と天然の価格差は40倍!?
例えば、ビタミンCを合成で作成するとしたらどうなるでしょうか?ビタミンCの合成はブドウ糖から様々な反応を経て、L-アルコルビン酸として、大量に合成するすることが出来ます。
また合成過程では石油を原料とした薬品を使用することにより、純粋な合成ビタミンC粉末を作ります。値段は50mgあたり約0.095円。はっきり言って激安です。
天然のビタミンCは、果物のエキスを抽出、濃縮したものでです。50mgあたり、約4.333円。価格差では40倍もの違いがあるのです。
試験管の中では同じ分子だが、消化器官的には異なる?
合成も天然も試験管的に見たら同じ分子構造なので、名称としては違いはありません。
しかし、消化器官的には決定的な違いが出てきます。
詳しくは述べませんが、天然の方が合成に比べると自然な形であり、ビタミンC以外にも多くの物質が含まれているため、お互いに吸収を補うことで相乗効果を発揮して、吸収率が高いのです。消化器官的にもしっかりと吸収される傾向があります。
一方で合成のものは、他の天然成分が入っていないそれだけの純粋の分子なので、純粋な合成ビタミンCであるが故に相乗効果を発揮するような別の物質がなかったりするために、消化吸収が悪く、吸収効率も悪いということが言われています。
サプリメントが原材料以外にも価格差が出るポイントは?
原材料の成分だけを見ていきましたが、これ以外にも価格差が生じるポイントとしては沢山あります。
- 抽出方法(低温抽出よりも高温抽出の方が安価に出来る)
- 原材料の製造方法(天然か合成か)
- 輸送コスト(空輸か陸路か海運か)
- 生産量(多いか少ないか)
- 研究開発費(新しい研究をしているか、優秀な科学者が働いているか)
- 臨床結果(人などで違いを確認しているか)
- その他独自の工程を持っている
このように、クオリティにこだわろうと思えば、その分だけお金がかかります。
サプリメントが流行の背景には広告へ価格が使われるから
流通経路や販売店や広告の仕方でも値段は変わっていきます。
流通経路を省いたほうが安い
ほとんど、販売代理店に置かれているものよりも、アマゾンの方がものが安いですよね。また、並行輸入品的な感じであれば、他にも安いサイトがあるかもしれません。
ただ、アマゾンが安いからといって購入したとしても、並行輸入品は基本的に保証がついてないので、もしも何かがあった時に保証が受けられません。そういうところは避けた方が良いでしょうね。
販売店について
販売店が無駄に多いところや、明らかにここのテナントは高いだろうな…って思うところは、原材料にお金をかけていませんから、避けても良いかもしれません。
ただ、だからと言って、販売店がない方が良いだろうとなると、変なところの変なものをつかまされて、安かろう悪かろうを選んでしまう可能性もあるので、それも避けたいところではありますね。
広告について
例えば、電通で行うよりもアフィリエイトの個人サイトでやっていれば広告費は安く抑えられますよね。
安く抑えられる分だけ、原材料にお金をかけられますから、一見良いように見えるかもしれません。
ただし、アフィリエイトは個人の広告代理店みたいなものなので、本当に信用が置けるもの以外は安易に手を出して買うべきではないのかなと個人的には思ってます。
試しにアフィリエイトサイトに登録してみればわかると思いますが、アフィリエイトの単価が高いものやハードルが低いものの方がHPの掲載率が高いことが分かりますからね。
その他口コミ系や紹介制のものも世の中には一杯あるかと存じますが、個人的には広告の形態で良し悪しを決めるというよりは、信頼できる人が信頼している情報を元にして、情報を受け取る側がちゃんとした判断基準があるかが大切。
大手が研究していないのはアウトですし、サプリメントでデータがないものは怖いですよね…。
体内に入れるというものでしたら、薬と同じですから、名も知らない製薬会社のデータも取られていない薬を飲みたいですか?って感じになります。
流行しているサプリメントが高価でも効果を保証していない
サプリメントは、長期的に飲まなければ効果が分かりにくいものです。
騙されても仕方がない…勉強のしていない消費者の視点
勉強のしていない消費者が考える判断基準としては下記の3つしかないでしょう。
- 価格
- 成分
- 広告
価格と成分と広告しか見ていない人は、結局、良いものを選ぶことが出来ません。
栄養学・サプリメントを勉強しよう
賢い消費者になるには、栄養学の勉強とサプリメントを勉強しなければいけません。
サプリメントを選ぶ基準では、そういったことを記載してありますので、興味がある人はご覧ください。
サプリメント流行の背景にある法律の違いは?
ある栄養成分を薬にするか、食品にするか、国によって法律が違います。
例えば、ドイツではイチョウの葉は薬に指定されていますが、アメリカや日本では薬には指定されていません。このように各国によって栄養成分をサプリにするか食品にするかは異なります。
同様に、サプリメントの作り方についても各国によって基準が違います。
アメリカと日本の違いはどうなのでしょうか?
日本の法律ではサプリメントのことを食品としていますが、アメリカではサプリメントには2種類あります。
食品とするサプリメントとニュートラスーティカルという薬と食品の間のサプリメントです。
食品としてのサプリメント | 臨床データを取らなくて販売可能効果効能を謳ってはいけない |
ニュートラスーティカルとしてのサプリメント | 臨床データが取れれば効果効能を謳っても良い |
アメリカでは国民皆保険制度が無い関係で、体調管理が自己責任になっています。そのため、予防医学の考え方はものすごく発達しています。
数年前から、アメリカのサプリメント利用率は成人で60%を超えていました。
今では70%を超えているかもしれません。これは3人のうち2人はサプリメントを利用しているということです。
日本とアメリカのサプリメントに関する規定?
ニュートラスーティカルとして薬よりの食品と決めているアメリカは、サプリメントに対する比較的厳しい規定を持っています。それを担っているのが下記の3つの省になります。
- 食品・医薬品局FDA
- 農務省USDA
- 連邦公正取引委員会FTC
この3つの省が栄養表示教育法・栄養補助食品健康教育法・限定的健康強調表示の3つによって位置づけられています。
サプリメントを薬と食事の中間に位置づけたキッカケは?
アメリカがニュートラスーティカルとして、サプリメントを薬と食事の中間に位置づけるものを制定したきっかけは、クリントン政権の1994年の時に誕生した栄養補助食品教育法(DSHEA法)という法律です。
この制度は、ビタミン・ミネラル・ハーブ・アミノ酸について、「栄養補助食品と表示し、FDAが認めていない」と書くならば、疾患名や、治療、診断などの表現をしなければ、ある成分がどのように効果があるのかを説明出来るのです。また、FDAの承認があれば、疾病を強調する表示が出来るようになりました。
このDSHEA法が入ることにより、製品を販売する前に安全性を確認することはありませんでした。しかし、このDSHEA方ができてから、FDAが抜き打ちでサプリメントメーカーの検査をしたり、消費者のクレーム処理を行うことになり、FDAの権限で問題のあるサプリメントは追放することが出来ました。
このため、日本に比べてアメリカの方が、公的機関における「監視・検査」が非常に発達しているのです。
どんどん改定されるアメリカのサプリメントの法律
また、2004年11月、これまで効能表示の根拠の基準はなかったが、効能表示の基準が発表されました。
2007年6月、不純物や有害物質の混入を防ぎラベルどおりの内容物を含むというCGMP (Current Good Manufacturing Practice)のラベル表示が義務付けられることが決定されました。
このようにして、アメリカのサプリメントに対する基準はどんどん改定されていっているのです。
サプリメントに関する日本の考え方は?
日本にも法律はありますが、実情は検査的なことは何もされておりません。
書類審査だけで審査マークをもらえるといった機関もあるほどです。
一方で日本は法的にも規制はあるが、アメリカのように進んでいないのが実情です。
このように、海外と日本ではサプリメントに対する考え方や法律が違います。日本だから安全だというのは、サプリメントにおいては異なった考え方と言えるでしょう。
サプリメント流行時代に消費者はどうする?
ここで、私が言いたいのは、氾濫しているからこそ、あなた自身の選び方が重要であるということです。
サプリメントは今の時代に必要だと思います。
しかし、情報が氾濫している昨今だからこそ求められるのは、栄養学に精通することや、業界についてよく調べること。つまりリテラシー能力こそが重要です。
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