日用品や化粧品において最も大切なことは中身ではなくブランドマーケティングである。
そのブランドを作るのに必要なのが広告宣伝費である。
「日用品・化粧品は中身を売っているのではなく、イメージを売っている」
という言葉もあるくらいです。
それだけ、マーケティングやブランドに力を入れております。
これは、消費者の購買意欲はブランドイメージで決まるということが明らかだからです。
だからこそ、広告宣伝費を大量に使うのです。
化粧品会社の広告費は「ブランドマーケティング」である
ブランドマーケティングを知るには、
世界最大規模の外資系企業である、P&Gのブランドマーケティングから見ていくと、
面白いと思います。
P&Gのブランドマーケティングから見る、ブランドとは?
P&Gはブランドの構築にとても力を入れている会社の一つです。
友人がP&Gのマーケティングの新卒採用を受けた時も、泊りがけのグループディスカッションが最終面接だと言っていました。
マーケティングの部署に採用する人にも力を入れて行っています。
P&Gの中で、ブランドの話でおもしろいのがエヴィアンの話です。
エヴィアンはペットボトルに入った水ですが、それに、100円を出してまで買いたいと思わせるのが、ブランドイメージだと言います。
ちなみに、P&Gの商品は、普通よりも+30円高かったりしますが、その30円をブランドに再投資することに、ブランドイメージを高めて、再販を促すことが、目的だったりするそうです。
化粧品会社は広告費にいくら使っているのか?
下記を見ると、広告費がどのくらい大量に使われているかわかりますね。
2015年3月の連結決算時点ですが、資生堂、コーセーの広告宣伝費は下記です。
資生堂は1821億円(売上の23.4%)
コーセーは507億円(売上の26.5%)
ちょっと分かりにくいですが、研究開発費と比べるとわかりやすいです。
資生堂142億円(売上の1.8%)
コーセー47億円(売上の2.3%)
ちなみに、製薬会社は大体売上の20%も研究開発費を計上しています。
ここから読み取れるように、やはり、広告宣伝費に費やす割合が大きいですね。
某企業から見る広告費を削減不可能な理由
某企業の広告宣伝費は売り上げ対比6%で少ないですが、金額にすると800億円。
研究開発費は大体400億円なので、約2倍広告費に使われております。
しかも、その大半はTV CMに流されているので、圧倒的なTV CM回数を誇っております。
2009年ごろにその広告宣伝費を削減しようと、マス広告を削減しようといた結果、何故かテレビに叩かれ、製品の販売中止に追い込まれた製品があるんだとか・・・。
広告費を払っているのは誰なのか?
はっきり言えることは、広告宣伝費を払っているのは、企業でもなく、株主でもないです。
払っているのは誰か?
そう、最終消費者である消費者なのです。
我々は、中身がよくて何かを良くしたいから、製品を購入しています。
しかしながら、その何かを良くしようという思いとは裏腹に、製品代金の20%近くが広告宣伝費に回されたり、それ以上のお金が人件費に回されたり、中身にはどのくらいお金が回されているのかが、わからないのが現状なのです。
原価と広告費の価格や売上の内訳を知る理由は賢くなるため
効果を保証してくれるのは中身と研究技術です。
しかしながら、CMやボトル、お店の経費なんかにも数多くのお金が使われています。
日用品・化粧品の価格って、どのように使われているか、どうなっているかご存知ですか?ある国内大手日用品会社の決算発表資料を基にした、価格や売上の内訳をご紹介したいと思います。
価格の内訳を知ることにより、自分がどう言ったものにどの程度支払っているのかを知ることができます。そうすることにより、自分がどういう点を意識して購入すべきか、理解することが出来るのです。
ある国内大手日用品会社の売上の内訳
ある国内大手日用品会社の売上の内訳を%で比較してみると下記のようになっていました。
- 売上原価:24%
- 販売管理費:66%
- 営業利益:10%
グラフにすると下記のような感じになります。
販売管理費が一番多く66%のシェアを占めております。販売管理費とは、製品がお店に届いてから、売れるまでにかかった費用です。
販売管理費の内訳は下記になります
決算書を詳しく見てみると、販売管理費の内訳を%で表すと下記のようになっていました。
- 広告費:33.0%
- 研究開発費:4%
- ⼈件費:13%
- 経費:16%(恐らく配送費等も含むか?)
販売管理費は66%だったので、販売管理費を100%として円グラフで表示すると下記のような感じになります。
こうしてみるとわかる通り、販売管理のおよそ50%が広告費に使われております。これは前回も述べた通り、日用品の業界はイメージがとても大切だからということです。
なんと中身の研究開発費に使われているのは5%程度だとか…。ただ、売上規模が大きければその分だけ研究費に回している金額も多いので、良いのかもしれませんがね…。
売上原価の内訳は?
売上原価の内訳は公表されていなかったので、円グラフのように詳細な図に出すことは出来ませんでした。そもそも売上原価とは、その業種によって算入されるものが異なってくるようです。
売上原価は物品販売業(卸売・小売)、製造業、サービス業など業種によって算入される科目が変わってくる。物品販売業では販売した商品の仕入高を計上する。製造業では、販売まで至った製品を製造するために要した材料費や製造ラインの人員の賃金、そして製造機器や工場運営にかかった経費などを計上する。サービス業ではサービスを行う人員の人件費が主な売上原価として計上される。
引用:Wikipedia
今回は、大手メーカーなので、下記のものが原価率に含まれる可能性が高いです。
販売までに至った製品の下記の部分が掛かってくるそうです。
- 材料費
- 材料が工場に届くまでの配送費
- 製造ラインの人件費
- 工場運営にかかった経費
下記は、完全にソースがないので予測になりますがそれぞれの売上原価の項目について検討してみましょう
人件費は13%程度と予想…。
販売管理費の人件費は、工場などの製造ライン人件費を除いていると思われます。恐らく、工場の人数の方が多いと思われますが、給与は本社の人間よりは低い可能性があります。
工場ラインの方が人数が多いので、本社の人間たちやお店のビューティコンサルタント総数よりも多くの給料を払っていることは無いと思いますのでここでは販売管理費の人件費と同等のに13%ほどではないかなと予想します。
工場運営にかかった経費は10%程度と予想
この会社は海外に約10・日本に約3つの生産拠点を持っていると言われてます。それぞれの工場の機械のリース代金や不動産の賃貸料などを含めると結構な額になると思います。約10%位は掛かっていてもおかしくはないのではないかと思います。
製品原価はパッケージが0.5%だとすると中身は?
人件費13%と工場運営の経費が10%だとした場合に、23%になります。それでは、残りは0.9%になりますから、ここから材料費やパッケージのお金等が出されている可能性がありますね…。流石に、これはありえないのか?
パッケージに0.5%使っているとしたら、中身の原価は0.4%くらいですかね…。
化粧品の広告費や原価などをまとめてグラフにすると…
今までの話をまとめてみると、大体下記のようなグラフになります。パッケージ代と中身原価が被ってしまいましたが、それだけ存在感が薄いということ…。
ちなみに、大手の外資系の企業等も見てみましたが、大体変わらない比率になってます。
大なり小なりはありますが、販売管理が多く、その中の広告費が大きく。原価率は記されていても、中身原価については記されていないというのが殆どでした。
以上の話を1万円の化粧水で例えると?
あなたが、1万円の化粧水を買うと、その構成はどうなっているのか?
- 3300円は広告費として使われてます。
- 1590円は運送費や輸送費、その他販売に係わる経費として使われてます。
- 1320円は販売店のスタッフや、本社にいるスタッフ、経営者に支払われます。
- 360円は次のいいものを作り出すための研究費として使われてます。
- 1040円は会社の営業利益として貯金されております。
- 1300円は製造してくれた工場の方の人件費に使われております。
- 1000円は工場運営に必要な経費、土地代、リース代、修繕費に使われます。
- 50円はパッケージ代として使われます。
- 40円は中身のお金として使われます。
あくまで、仮定と予想の話でしたが、もしも本当だったら怖いですよね。ちなみに、私の友人にも数名、日用品業界の関係者がおりますが、上記の数字とあまり変わらなかったように記憶しております。
ちゃんと、覚えておりませんので、はっきりとはしませんが。あくまで参考として覚えておいていただければ幸いです。
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