「ミトコンドリアって何?」
「ミトコンドリアって体内にいくつあるの?」
私たち人間の細胞の中には必ず存在しているミトコンドリア。
しかし、こんなに身近な器官にも関わらず、知っている人はごくわずかしかおりません。
実は、ミトコンドリアは生体エネルギーを作る機関であり、体内から減少してしまうと老化の原因に直結してしまうのです。
今回は、ミトコンドリアの数・機能・増やす方法などをまとめてみました。
ミトコンドリアの数は?体内に2000個ある?
ミトコンドリアの数ですが答えは、個数は数えられないが、とても多いです。
細胞の中には、若い人だと2000個/1細胞あると言われています。
しかし、老化してくるとミトコンドリアの数が減少していきますので、厳密に個数を数えることができないと言われていました。
なお、最近の研究では、ミトコンドリアの数が減少しているのではなくミトコンドリアの質が低下しているとするデータもあるので、一概には言えません。
ミトコンドリアの数は数え切れません。
しかし、体内の細胞の数は37兆個であるならば、ミトコンドリアが若い時の数は
37兆個×約2000個=7400兆個という超膨大な量が体内に存在するでしょう。
また、ミトコンドリアは活動の過程でくっついたり、離れたりします。
そのことも原因で、厳密な数を数えることは不可能です。
ミトコンドリアの機能低下は何を起こるのか?
ミトコンドリアが機能低下状態になると生体エネルギーが作られなくなったり、アポトーシスが正常に働かなくなったりと多くの影響が出てきてしまいます。
- ミトコンドリアの機能低下でアポトーシスが働かずガン細胞が自殺しない
- ミトコンドリアの機能低下はコレステロールの代謝が悪くなり細胞膜やホルモンが作られない
- ミトコンドリアの機能低下は脂肪の代謝を悪くするので太りやすくなる
参考:ミトコンドリアの機能低下はガン・デブ・病気の原因?悪影響をまとめてみた!
ちなみに、ミトコンドリアの機能低下を防ぐには、下記が効果的だと言われています。
- 運動する
- 特定の栄養素を摂る
- 活性酸素を取り除く
ミトコンドリアと病気との関係でも解説しましたが、ミトコンドリアの機能が低下すると、活性酸素を除去する力が低下するので、細胞内が病気になる可能性があります。
つまり、細胞のDNAが傷つきやすくなったり、アポトーシスの機能が上手く働くなることにより、ガンになる可能性が高まるのです。
また、ミトコンドリアが活性酸素を出し、活性酸素が細胞のいたるところを酸化させます。それがDNAを傷つけ、傷ついたDNAが悪化した細胞を生み出す。この繰り返しが老化のメカニズムです。
参考:http://www.dinop.com/bio/paper/repair_oxdamage.html
ミトコンドリアの働きは?
ミトコンドリアは何をしている器官なのでしょうか?主に3つの働きがあると言われています。
- 生体エネルギーを作る
- ミトコンドリアは不調な細胞を殺す(アポトーシス)
- カルシウムの貯蔵
ミトコンドリアは生体エネルギーを作る
ミトコンドリアは各組織が動くのに必要なエネルギーを合成しています。
例えば、人が歩くために必要なエネルギーも合成しています。
食べ物を消化するためのエネルギーも合成しています。人の身長を伸ばすのに必要な代謝に必要なエネルギーもミトコンドリアが合成しています。
このように、ミトコンドリアが減少してしまうと、身体中のエネルギーが少なくなってしまうので、最近元気が出ないなぁとか、不調が出るなぁとなってしまうのです。
ミトコンドリアは不調な細胞を殺す(アポトーシス)
アポトーシスとは簡単にいってしまったらおかしくなった細胞を殺す働きです。細胞の中から指令を出してその細胞を殺す(自殺)する働きがミトコンドリアにはあります。
一体おかしくなった細胞って何があるのか?と言われたら、例えば、ガン細胞。ガン細胞が本格的に活動し始める前に、体は修復しようとします。しかし、修復できなかった場合には、ミトコンドリアが指令を出して、細胞自体を殺すのです。
アポトーシスは胎児が成長していく過程で不要な部分を殺す働きもあります。成長していく上で必要のないものを無くしていくことにより、ちゃんとした成長をしていくようになるのです。
DNAの壊れた部分を修復させる働きもミトコンドリアが行います。活性酸素によって傷つけられた、DNAの修復をしています。
カルシウムの貯蔵
ミトコンドリアはアポトーシスを制御する時に行われるのがカルシウムの取り込みです。カルシウムの取り込みにおいて不均衡が生じる時に細胞死が起こると言われています。
ミトコンドリアが生み出すものは何でしょう?
体の生体エネルギーの生産工場であるミトコンドリアですが、実際には細胞の中で何を生み出しているのでしょうか?
酸素と糖から生体エネルギー(ATP)を合成
ミトコンドリアは酸素と糖からATPを合成すると言われています。この生体エネルギーが多ければ、臓器も健康になり、心身ともに健康で入られますが、生体エネルギーの生成が少なくなると、臓器も健康になりませんし、不調が出てくるというわけです。
使いきれなかった酸素を活性酸素として排出
ミトコンドリアから合成されるATPを身体の中で使い切れなかったり、ミトコンドリアに過剰な負荷が掛かった場合には、活性酸素が生み出されるとも言われています。活性酸素は、顆粒球がウイルスを撃退する際にも用いられますが、ウイルス撃退ではなく、細胞に触れたりすると、そこの細胞が酸化してしまいます。要するに錆びてしまうのです。
つまり、ミトコンドリアは、ATPというエネルギーを生み出すと同時に、活性酸素を生み出しています。
「ミトコンドリアは年齢とともに減少する」は間違い
ミトコンドリアの数は年齢とともに減少すると言われています。しかしながらこの説はどうやら間違いだそうです。
KOSEの研究によると、36歳の人と67歳の人から採取した細胞を確認したところ、ミトコンドリアの数に違いはなかったそうです。しかしながら、細胞の中に含まれる活性酸素除去酵素であるSOD2(スーパーオキシドディスムターぜ2)の量を測った時に違いが現れたそうです。
参考:細胞内の「ミトコンドリア」※1の質が加齢とともに低下する
つまり、細胞の中のミトコンドリアが減少しているのではなく、細胞の中のミトコンドリアの質が低下することから、組織の老化を促進させるということが言えるのです。
ミトコンドリアの機能を向上させるには?
では、ミトコンドリアの機能を向上させるためにはどうすれば良いのでしょうか?
運動をする
ミトコンドリアの機能を高めるのに効果的なのが、運動です。この運動は何も、負荷の高い運動ではなく、日常のちょっとしたことでも、ミトコンドリアの機能を向上させることが出来ると言います。
- 片足で立つ
- 背筋をピンと伸ばす
- 早歩きをする
- ちょっとしたスクワットをする
などなど、普段の生活の中で負荷をかけるような運動を少し行うだけで、ミトコンドリアの機能が向上するそうです。
ちょっと負荷をかけることによりミトコンドリアが『機能を向上させないと!』と思って機能が向上していくそうです。不思議ですよね…。
特定の栄養素を摂ること
ミトコンドリアの質を高める上で効果的なのが、栄養素を摂ることです。
中には、ミトコンドリアを活性化する栄養素もあるそうですが、サプリメントでしか補えないものもあるそうです。
例えば、レスベラトロールはミトコンドリアの機能の向上にも効果的だと言われています。
おすすめの記事>>レスベラトロールサプリの選び方?効果・機能・性質もまとめてみた!
ビタミン・ミネラル・抗酸化物質で活性酸素を取り除く
ミトコンドリアは常に酸素と水と糖によりATPを産出しています。
その時に出てくるのがCO2ですが、同時に活性酸素も出てきているそうです。
だから、ミトコンドリアには活性酸素除去機能があらかじめついているんですね。
その活性酸素によって、ミトコンドリア自体がダメージを受けて老化していきます。
つまり、ミトコンドリアを老化させないためには活性酸素を除去することが大切なのです。
活性酸素を取り除くには、栄養素的にはビタミン・ミネラル・抗酸化物質が効果的です。日頃からカラフルな食事を摂ったり、日常的に栄養を意識した生活をしていくと、ミトコンドリが老化することを防ぐことができるでしょう。
ミトコンドリア機能向上まとめ
- 若い時には2000個あるが年齢とともに質が低下する
- ミトコンドリアには細胞を自殺させる機能(アポトーシス)がある
- 酸素と糖から生体エネルギーを合成する
- ミトコンドリアは活性酸素を生み出す
- 劣化すると数が減少するは間違いの可能性もあり
- 運動をすると刺激になりミトコンドリアの機能が向上する
- 特定の栄養素を摂るとミトコンドリア機能が向上する
- ビタミン・ミネラル・抗酸化物質でミトコンドリアの劣化を遅く出来る
ミトコンドリアの機能を向上させていつまでも若々しい体でいましょう!
劣化したミトコンドリアの機能を向上させられるように日頃の生活習慣の見直しが大切ですね。
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