コエンザイムQ10は体に良いと言われていますが、その実情は残念ながら詳しく述べられることはありません。
今回はコエンザイムQ10について詳しくまとめてみたいと思います。
コエンザイムQ10とは?
コエンザイムQ10は脂溶性の物質で、色々な生物にあるということから、ユビキノン(ubiquinone)と呼ばれます。
色々な生物にあるので、もちろん肉類や魚類にも含まれています。
コエンザイムQ10はビタミンではありません。
ビタミンは主に体内で合成されないものを指しますが、コエンザイムQ10は体内で微量ではありますが合成されるからです。
コエンザイムQ10は1957年にウィスコンシン大学がウシの心臓のミトコンドリアから発見し、1972年には心臓病のヒト被験者でコエンザイムQ10の欠乏が発見されました。日本では1991年に一般医薬品として薬局で販売される一方、米国では1990年代にサプリメントとして流通がスタート。2001年から日本でもサプリメントとしての流通が始まりました。
コエンザイムQ10の役割は?
コエンザイムQ10のメリットは下記のとおりです
- 元気になる
- 新陳代謝向上
- 活性酸素除去
- ビタミンEのリサイクル
- 血圧を下げる可能性あり
コエンザイムQ10でいちばん有名なのは体内のエネルギーであるアデノシン三リン酸(ATP)の産生に関係しているという点です。
脂肪や等を利用してエネルギーを作る時に必要な補酵素の役割をはたすことから、コエンザイムQ10を摂取すると疲れにくく、新陳代謝も向上して痩せやすいという効果もあるそうです。
また、抗酸化物質としても効果が高いと言われています。
エネルギー生成で発生した活性酸素を除去する効果があるとも言われていたり、体内の活性酸素を除去する効果もあると言われています。
その為、老化予防や、生活習慣病予防になるとも言われているのです。
更にビタミンEが酸化した後、コエンザイムQ10は使い終わったビタミンEを再生することが出来ます。その為、ビタミンEの抗酸化効果を何度も発揮することにより、抗酸化力を高めることが出来るのです。
またコエンザイムQ10を摂ると血圧を下げるという効果もあります。
老化による運動能力の低下を抑えるということも言われているのです。
また、乳癌や歯肉炎にも良いのではないかという研究も進んでおります。薬ではないので必ずしも治るという表現はできませんが、そういう風な研究も進行しているとだけ覚えておいて頂ければと思います。
コエンザイムQ10のヒト試験のデータによると下記のものの有効性が認められているデータがあります。
- 血圧
- アルツハイマー
- 抗酸化効果
- 心疾患(心不全・狭心症・心筋梗塞)
- 糖尿病
- パーキンソン病
- 肝硬変
- 抗癌剤の副作用緩和
- 加齢性黄斑変性症
コエンザイムQ10が欠乏すると?
コエンザイムQ10が不足すると、エネルギー産生が減少しますから、運動能力の減少を招きます。また、抗酸化力も下がりますので、生活習慣病の原因になったり、怪我に対する抵抗力もさがると言われています。
一般的に高齢者は体内で合成できるコエンザイムQ10の量が減少していきますから、注意が必要です。
コエンザイムQ10がオススメな人は?
高齢者の方や運動している方だけでなく、いつまでも若々しくいたい方であれば誰でも取っておいたほうが良いかなと思います。それだけコエンザイムQ10は大切な栄養素だと言うことです。
コエンザイムQ10の一日の推奨量・日本人の平均摂取状況は?
コエンザイムQ10はビタミンのように食事摂取基準による上限値や推奨量を決めることができておりませんので、どのくらいが推奨量かはわかっておりません。
基本的には毎日30mgを摂ること、血圧が高かったり心拍数が多かったり、また50代以上の高齢の方はコエンザイムQ10を毎日50mg摂ることが推奨されているとする人もいます。
コエンザイムQ10を食べ物で補給するには?
コエンザイムQ10を食事から補給するには下記のような食品が良いとされています。
- 豚肉
- イワシ
- ごま
- ピーナッツ
- 大豆
- ブロッコリー
- ほうれん草
しかしながら食品で取ろうとすると、ほうれん草から補給できるコエンザイムQ10は100gあたりで1mgですので、30mgのコエンザイムQ10を毎日取ろうとすると、およそ3kgのほうれん草を毎日食べないといけません。
また、脂溶性の物質であるコエンザイムQ10は特に吸収率が低く摂取した量の60%は吸収されずに排出されるといったことや、血として流れるのは摂取した量の3%であるとも言われています。それだけ吸収が難しいのもコエンザイムQ10の特徴です。
コエンザイムQ10は脂溶性の物質ですので、脂肪の多い食事とともに摂取すると吸収がよくなります。
またコエンザイムQ10を高用量を摂取したとしても副作用が出にくくかなり安全だということも言われています。日本では医薬品にのコエンザイムQ10の上限量は一日に30mgですが、海外メーカーのコエンザイムQ10は遥かにその量を超えています。日本の健康食品でもそういった量を超えた製品が出回っており、コエンザイムQ10の摂取上限量を決めることは難しいのです。
医薬品だからと言って同一レベルとは限らない
コエンザイムQ10は医薬品として用いられてきたからサプリメントでも同じ質だろうと思われる方も多いと思いますが、そんなことはありません。
医薬品であれば、厳しい基準があり、それを含めて最終的に有効性や安全性が明確になるようにされていますが、サプリメントには厳しい基準はありません。同じ成分であっても商品の品質や成分含有量の虚偽・体内吸収等の特性はサプリメントには表示や説明義務がありませんので、注意深く調べる事が必要です。
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